確定申告の時期が過ぎた一方、人によっては「確定申告を無申告のままにしているけど大丈夫かな?」と感じる人もいるかもしれません。
実は確定申告は無申告で放置すると、高確率でバレる上にペナルティが発生します。特に無申告にしている態度が悪質な場合はペナルティも重くなるため、一層注意が必要です。
本記事では確定申告を無申告のままにした時に発生することを、ペナルティやバレる理由を中心に徹底解説します。
確定申告の無申告がバレる3つの理由

春先の確定申告が終わりましたが、中には申告しないままにしている方はいませんか?中には、「無申告でもバレないだろう」と軽く考える人もいるのではないでしょうか
しかし、確定申告を無申告のまま放置しても、バレる可能性は十分あります。
取引先企業の支払調書
確定申告の無申告が発覚する理由としてまず挙げられるのが、「取引先の支払調書」です。
支払調書とは、企業が取引先や個人事業主などに対して対価を払った際に、支払い金額などを税務署に報告するために提出する書類です。
支払調書が発行されているのに、対価を受け取った人が確定申告していないと矛盾が発生するため、無申告であればあっさり発覚します。
税務調査
また「税務調査」も、無申告がバレる原因です。
税務調査は国税庁(税務署)の調査官が、確定申告書の内容や納税状況に基づいて不正がないかを把握するために行われます。
基本的に申告書の内容などで怪しい点がある場合に行われるのが一般的です。
ただ、この時点で調査官は国税庁のデータベース経由で怪しい証拠(銀行口座でのお金の動きなど)を収集しています。
このため、簡単に言い逃れはできない上に、言い逃れしようとしてもボロが出て無申告が発覚するケースも少なくありません。
それに加えて、取引先が税務調査を受けた際に芋づる式にバレることもあるため、注意が必要です。
第三者による匿名通報
他にも、「第三者による匿名通報」で発覚するケースもあります。
国税庁には専用の情報提供フォームがあり、無申告を含む税金関係の怪しい情報の提供が可能です。
急に羽振りが良くなった様子を見た知人や友人が、情報提供フォームに通報するケースもあるため、無申告のまま放置するのは避ける必要があります。
確定申告を無申告のままにした時のペナルティ

確定申告の無申告を放置した場合、「何らかのペナルティがあるのでは」と気になる方もいるかもしれません。残念ながら、主に以下の4つのペナルティがあります。
無申告加算税
確定申告の無申告のペナルティとして、まず「無申告加算税」が挙げられます。
無申告加算税は、確定申告を期限(所得税の場合、例年3月15日)までに済ませなかった場合に発生するペナルティです。
本来支払うべき税金に追加で発生するもので、税務署に指摘される前に期限後申告(期限を過ぎた後の確定申告)を済ませた場合は5%で済みます。
しかし、税務調査の通知を受けた後で申告した場合は10%(税金額が50万円以上の場合は15%)、調査で指摘を受けた後であれば15%(税金額が50万円以上の場合は20%)と高くなります。
重加算税
重加算税は、申告すべき年収や所得などを意図的に隠ぺいした場合に課せられるペナルティです。
無申告で重加算税が適用されるのは、確定申告の義務があることを知っていながら、計画的に申告しないまま放置した場合です。
もし重加算税が適用された場合は、無申告加算税よりも重い40%もの加算税が課せられます。
延滞税
さらに延滞税も、無申告で発生するペナルティです。
確定申告は、単に税金の金額を報告するだけでなく、支払う必要がある場合は納税まで済ませます。
もし確定申告の期限までに納税を済ませなかったときは、期限の翌日からの日数に応じて次の計算式に基づいて延滞税が発生します。
- 期限の翌日~2ヶ月まで:支払うべき税金×延滞税の税率(年2.4%)×期限からの日数÷365日(①)
- 期限から2ヶ月以降:支払うべき税金×延滞税の税率(年8.7%)×期限から2ヶ月経った翌日からの日数÷365日(②)
⇒①と②の合計額
なお、期限から日が経つほど、延滞税の金額が雪だるまのように膨らむため、早めの対応が重要です。
参考:延滞税の計算方法|国税庁
悪質な場合は刑事罰で逮捕も
確定申告を無申告のままにする様子があまりにも悪質な場合、刑事罰に問われ逮捕されることがあります。
実は確定申告について定めた所得税法には、刑事罰になるケースや課される刑罰が次のように明記されています。
| 刑事罰の名前 | 所得税法の条文 | 適用される条件 | 課される刑罰 |
|---|---|---|---|
| 単純無申告罪 | 第241条 | 申告義務を知りながら、正当な理由なしに申告しない場合に適用 | 1年以下の懲役または50万円以下の罰金など (情状酌量の余地あり) |
| 無申告ほ脱犯 | 第238条3項 | 計画的に申告せず脱税までした場合(不正な手段を使っていない) | 5年以下の懲役または500万円以下の罰金など |
| ほ脱犯 | 第238条1項 | 不正な手段で計画的に申告もせず脱税までした場合 | 10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金など |
ただ基本的には、無申告で済ませようとするやり方がよほど計画的かつ悪質な手段によるものでない限り、逮捕される可能性は低めです。行政的なペナルティで済むケースが多くなっています。
確定申告の無申告の時効

確定申告の無申告は一定の年数で時効を迎えます。そして時効までの年数は、次のようなパターンがあります。
原則5年
確定申告を無申告のままにした場合の時効は、原則として申告しなかった確定申告の期限の翌日(3月16日)から5年です。
申告期限を過ぎた後に確定申告をしたものの税金を少なめに申告していたり、何年にもわたって似たような誤りを繰り返していたりしたケースが当てはまります。
なお5年ではなく3年で済むケースもあります。ただし3年で済むのは、期限までに申告したもののうっかりミスで税金額も少なく申し出た場合といった、限定的なケースです。
悪質な場合は7年
確定申告をしなかった場合、その内容が悪質であれば時効が7年になることもあります。
期限までに申告しなければいけないことを理解していながら計画的に無申告にしたり、申告する税金額をわざと少なくしたりするといったパターンです。
確定申告の書類や証明書類を隠したり改ざんしたりしていれば、その悪質さから時効も5年どころか7年になってしまいます。
還付申告は5年
確定申告では事前に納め過ぎた所得税を払い戻してもらう「還付申告」もあります。
例えば、前年分に源泉徴収で多く納めた所得税を、確定申告で実際の税金額を申告すれば、その差額分が戻ってくる仕組みです。なお、払いすぎた医療費についても、還付申告によって差額分を払い戻してもらえます。
そして還付申告ができるのは、対象となる年の1月1日から5年間です。もし2026年分の医療費で払いすぎた分があれば、2031年までに還付申告の手続きをすれば問題ありません。
確定申告が必要なのに無申告になりやすい人

確定申告を無申告のままにする人は意外と多くいます。中でも次に紹介するケースに当てはまる人は無申告になりがちであるため、十分に注意が必要です。
フリーランスや副業を始めたばかりの人
まず、「フリーランスや副業を始めたばかりの人」です。フリーランス活動や副業を始めたての場合、確定申告を経験していないだけでなく、確定申告の知識がない人も大勢います。
確定申告の仕組みや手続きの進め方をよくわからないため、無申告で放置する人も少なくありません。
申告に必要な帳簿の作り方や収入・経費・控除の計算、提出方法が複雑に見える分、手を付けられないままに期限を過ぎるケースもあります。
確定申告が必要かどうかわかっていない人
「確定申告が必要かどうかがわかっていない人」も、無申告になりやすい人の特徴です。
確定申告は基本的にフリーランスであれば1年間の所得が48万円を、会社員などの副業であれば20万円を超えている場合に手続きが必要になります。
ただ、特に確定申告に慣れていない場合、申告が必要である条件に当てはまっているのかわかりにくいものです。
このため、自分が条件に当てはまっていないものと勘違いして、申告しないまま放置したあげく税務署に指摘される場合があります。
確定申告が必要かどうかの確認は、国税庁の公式サイトでできるため、特に初めて確定申告の時期を迎える方はぜひご活用ください。
会社員で副業所得が年20万円を超えている人
「会社員の副業で年間所得が20万円を超えている人」も、無申告になりやすいケースです。
会社員や公務員が副業する場合、副業の年間所得が20万円を超えた時点で確定申告が必要になります。
ただ副業をしている人で、この点を理解していない人も意外に少なくありません。
中には、「副業分も会社側が年末調整してくれる」と思ったり、「申告しなければ会社に副業がバレないだろう」と考えたりする場合さえあります。
このように副業に対する確定申告への知識不足が、結果として無申告につながりやすいため、注意が必要です。
ちなみに住民税については、たとえ年間所得が20万円に届かなくても、申告しなければいけません。
仮想通貨・FX・株で利益が出た人
「株取引や仮想通貨などで利益が出た人」も、無申告のまま放置するケースが多い人の特徴です。
株など金融取引の売却益は、新NISA口座や源泉徴収される証券会社の特定口座を使っていたり、売却益が一定金額を下回っていたりすれば確定申告は必要ありません。
その一方で、一般口座で取引している場合は確定申告が必要になります。
金融取引の売却益に対する確定申告のルールが複雑であるため、確定申告が必要なのかわからなかったり、必要ないと勘違いしていたりする分、無申告にしている人が多いです。
一時所得(副収入など)がある人
ほかにも「一時所得がある人」も、確定申告を怠りやすい人といえます。
一時所得とは、具体的には満期を迎えて支払われた生命保険の保険金や、懸賞に当たって受け取った賞金などを指します。
一時所得には50万円の特別控除がある上、会社員など給与所得者はその金額が90万円以下であれば確定申告しなくて良いルールです。
ただこれらのルールがあるために、申告が必要な金額を受け取っているにもかかわらず、「自分は確定申告しなくて良い」と勘違いする人もいます。
確定申告を無申告のままにするリスク

確定申告を無申告にした場合、様々なペナルティや悪影響が出ます。
無申告加算税などのペナルティを受ける
確定申告を無申告のままにした場合、無申告加算税などのペナルティが発生します。
無申告によるペナルティは、本来支払うべき税金とは別に発生する上に、無申告の期間に応じて金額が膨らむ仕組みです。
期間が長引くほどより高い税率が適用される場合もあるため、早く手を打たないと負担が重くなります。
住民税が未納になることも
確定申告をやらないまま放置すると、住民税まで未納になりかねません。
確定申告で申告書が提出されると、所得などのデータが直接自治体にも送られます。そして自治体ではそのデータをもとに住民税額を算出し、5月から6月にかけて通知するためです。
特にフリーランスや自営業者であれば、確定申告していないと住民税を決めるためのデータが存在しないため、住民税も決まらない上に納付もできません。
その結果、住民税が未納扱いになる上に、未納期間が長引くと最悪の場合で財産や報酬・給料が差し押さえられます。
差し押さえという最悪の事態を避けるには、やはり確定申告はきちんと済ませるべきです。
国民健康保険で減免を受けられないリスクも
なお、フリーランスなどの場合は国民健康保険で減免を受けられないリスクもあります。
国民健康保険には所得が一定の水準を下回る方向けに保険料が軽減される措置が設けられていて、この措置の対象になると支払うべき保険料が最大で7割減ります。
しかし確定申告していないと、所得のデータが自治体に届かないため、軽減措置が適用されません。その結果、所得が低いにもかかわらず、高い保険料を支払う羽目になります。
国民健康保険料は会社の健康保険と異なり全額負担であるため、負担を軽減する意味でも確定申告は大切です。
税金の控除を受けられない
確定申告していない場合、税金の控除を受けられない点もデメリットです。
本来確定申告では所得税や、ひいては住民税を計算する際に基礎控除などを受けることで、納める税金を減らせる可能性があります。
しかし控除自体が確定申告をしっかり行うことを前提とした制度であるため、きちんと申告しなければ税金を安くするチャンスまで逃してしまいます。
特にふるさと納税のような節税対策で税金を軽くしたい場合、確定申告は必要不可欠な手続きです。せっかくの節税対策をふいにしないためにも、確定申告は間違いなく行いましょう。
社会的信用を大きく損なう
確定申告を無申告にしていると、社会的信用をも大きく損ないかねません。
社会的信用とは、「収入や社会的地位を基準にした信用度」です。
そして社会的信用は、一般的に年収や所得の高さ、過去の支払い状況に応じて判断されます。
特にフリーランスなど確定申告が必要な立場の場合は、確定申告が自身の所得を証明する上で欠かせません。確定申告を済ませれば、役所で収入や所得を証明する書類を発行できるためです。
もし確定申告を済ませていない場合、その年の分の所得を証明できないため、クレジットカードの作成や携帯電話の申し込みなどの審査に落ちる場合があります。
還付を受けられなくなる
確定申告を怠った場合、納め過ぎた税金の還付を受けられません。
還付とは源泉徴収で先に納めた所得税や、医療機関で多く払いすぎた医療費などを、確定申告を通じて差額を戻してもらう手続きです。
具体的には確定申告で本来の税額を申告した後、税務署が先に支払われた所得税額などと照らし合わせ、差額を振り込みます。
しかし、確定申告がされていない場合、先に支払われた所得税などと照らし合わせようがないため、還付は受けられません。
もし確定申告の無申告がバレたら?対処法を解説

「確定申告の無申告がバレたらどうしよう?」と感じる方もいるかもしれません。確定申告の無申告が発覚した場合、次のような方法でできるだけ早く対処することが大切です。
一日も早く期限後申告を済ませる
確定申告の無申告がバレたら、一日も早く期限後申告を済ませましょう。
確定申告は本来期限までに済ませることが原則です。もし期限を過ぎてしまった場合、翌日から無申告加算税が発生します。
無申告加算税は申告を済ませない限り、毎日のように少しずつ金額が増えていきます。少しでも支払いの負担を軽くするためにも、一日も早い期限後申告が大切です。
なお、税務署による問い合わせや調査よりも前に申告を済ませれば、無申告加算税の税率は5%に抑えられます。

発生している税金は早く払う
また確定申告の段階で所得税が発生している場合も、一日も早く支払うべきです。発生している所得税を未納のままにすると、延滞税が発生します。
延滞税も無申告加算税と同じように、納付が遅れた日数だけ金額や税率が高くなるルールです。やはり金額の負担を軽くする意味でも、発生した税金は一日も早く払いましょう。
もし早い段階での支払いが難しい場合は、税務署への相談が大切です。
税理士への相談もおすすめ
「一日も早く期限後申告するべき」とわかっていても、難しい場合は税理士に相談する方法もあります。
税金手続きの専門家である税理士は、確定申告の代行や税務調査への対応で専門性があります。
確定申告については数年分の無申告であっても正確に進めますし、税務調査についても専門知識を駆使して冷静に対応してくれる点で頼もしい存在です。
依頼費用は数万円程度かかるものの、特に何年も無申告だったり、税務調査の告知が来たりして困っている場合は検討すると良いでしょう。
まとめ

確定申告を無申告のままにした場合、高確率でバレます。
バレた場合のペナルティは無申告加算税や延滞税などのように金銭的負担がかかるものが主ですが、悪質な場合はより重い処分を受けるため、甘く見てはいけません。
確定申告の無申告が発覚した時は、一日も早く期限後申告するなど迅速な対応が必要です。そして翌年からは、期限に間に合うように確定申告を済ませましょう。
確定申告の無申告でよくある質問
確定申告が無申告でもバレないですか?
確定申告を無申告のままにしても、高い確率で税務署に発覚します。税務署側は企業からの支払調書や国税庁のデータベースなど様々な手段で、無申告の証拠を固めるためです。
何年も確定申告してない個人はどうなる?
もし何年も確定申告していない場合、税務調査が入る場合があります。税務調査で無申告を指摘されると、本来納めるべき税金とは別に無申告加算税を課されたり、納税が遅れた期間だけ延滞税が発生したりします。
加えて確定申告していない状態が悪質である場合、より重い行政処分や刑事罰に問われる可能性もあるため、注意が必要です。
個人で確定申告してない人は多いのですか?
個人で確定申告していない人は、意外と多くいます。特にフリーランスや副業を始めたばかりの人や、「自分が確定申告しなくて良い」と誤解している人を中心に多い状況です。
2017年からフリーランスのWebライターとして活動。
フリーランスとして活動するうちに、税金などお金のリテラシーの重要性に気付くように。
複数の金融系執筆案件に参画し、FP2級も持っています。
実体験をベースに税金やお金の情報を発信します。

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